BL「糸永くんの恋の糸」あらすじ・感想(ネタバレ注意)いじめでこじれた両片思い

BL漫画「糸永くんの恋の糸」のあらすじや感想(ネタバレ注意)についてご紹介します。
中学時代にいじめを受けていた糸永と、いじめてしまった真田は両片思いだった!
そんなふたりのこじれた恋の糸がほぐれて、まっすぐ繋がていくお話。
【全2巻】完結
「糸永くんの恋の糸」
奥田枠先生の作品です。
糸永くんの恋の糸のあらすじ
引っ込み思案の大学生・糸永(いとなが)は、中学時代に自分のことをいじめていた真田(さなだ)と再会します。
中学時代と変わらず、頭が良くてかっこよく、女子にモテて男子からも信頼されている真田。
彼は、まるで過去に何もなかったかのように親しげに声をかけてきます。
糸永は、またいじめられるのではないかと思って会いたくありませんが、真田は同じサークルに入るとまで言い出して…
糸永は、自分に対して誠実な態度の真田のことを、少しずつ信頼して心を開いていくようになります。
真田と友達になれるかもしれない…
そう思った糸永は、借りていたノートを返していなかったことを思い出し、混雑している駅まで追いかけました。
すると、真田は糸永のことが好きだと告白してきた!!
そしてキスをされていた糸永は、涙をこぼしてしまいます。
それは、嫌だからではなくて…
彼も中学時代、真田のことを好きだったから…
糸永くんの恋の糸の感想(ネタバレ注意)
※(ここからはネタバレになる可能性あり)
1巻の感想
この1巻のテーマは「繋がる」だそうです。
そもそも糸永と真田って、中学時代から両片思いだったんですよね。
タイトルが「糸永くんの恋の糸」ですけど、ふたりの恋の糸は中学時代からずっと繋がっているのに、こんがらがっているわけです。
1巻は、そんな事情とふたりがお互いの気持をやっと理解して本当の恋人同士になるところまでが描かれています。
そして大学生になって、そのわだかまりもなくなり、恋人として幸せになれるだろうと思ったけれど、そう簡単にはうまくいきません。
過去のことからお互い勘違いしてしまうこともあって、微妙に感情がズレてしまいます。
早い段階からエッチもするんだけど、目隠ししたままとか…
それも、お互い勘違いしているからですね。
奥田枠先生も、最後に「すれちがいものを描いてみたかった」と書いているのですが、最初からずっとすれちがいによる誤解や勘違いによって、ふたりの恋がこじれていることが描かれています。
糸永は、中学時代にひどいいじめにあっていましたから、その恐怖から大学で再会したばかりの頃には真田から逃げようとしていました。
ところが、いじめられる前と同じような真田と接していくうちに心を開き、告白されて恋人になるのだけど…
真田は、いじめをした負い目を感じていて、可愛そうだから付き合ってくれているんだと思っているんですよ。
そして、いつ別れが来てもいいように…って思いでを写真に撮りながら覚悟をしていたりします。
もう、彼が本当に健気でね…
オタク主婦
糸永は、中学時代からずっと、相手を悪く思うのではなく、自分が悪いって考えるんですよね。とってもいい子なんです。
それに対して中学時代の真田は、自分の気持ちを隠したいがために、糸永をいじめてしまった…
中学時代にいじめをしてしまったのは、彼のプライドというか、優等生だからこその「普通じゃないことへの拒否」によるものでした。
真田は糸永のことをすごくかわいくて好きだと思うのですが、その気持が恋愛的・性的なものだと気づいた時に、認めることができなかったわけですよ。
そして、つい自分の気持ちをごまかそうとするあまり、糸永のことをいじめてしまうわけですが…
真田は男女ともに人気者だったため、そんな彼にいじめられた糸永は、他のクラスメイト・金崎たちから本格的にいじめられるようになり、結局は転校することになってしまいました。
その後、真田はどうしても糸永のことを忘れることができず、やっと自分の気持ちを認めます。
そして、今度こそ謝ってちゃんとやり直そうとするわけですが、それはそれは慎重に怖がらせないように気を使います。
だけど、どうしても消せないんですよね。
嫌われる恐怖を…
最後には、お互いの気持のすれ違いと誤解から別れ話が出ることになりますが、それが良い結果を生みました。
ふたりがすべてを話し合って、やっとこじれた部分が解決した時のシーンは好きですね~。
手をつないで話しをしたあと、お互いに告白をしなおしたりして…
そのあとのエッチシーンは、最高にエロいです。
2巻の感想
2巻のテーマは「縛る」とのこと。
ふたりがラブラブなところからスタートします。
そして、今回のこじれる原因は、中学時代にもっとも糸永のことをいじめた金崎が登場することですね。
糸永・真田の大学の学祭に来ると、メールで連絡してきたんですよ。
これが、またふたりに勘違いをさせることに…
とはいえ、ふたりはそう簡単にはもう壊れたりはしません。
別れるという選択肢はありません。
そして、真田がハッキリと金崎を拒否したことで、よりふたりの関係や絆は強くなっていきます。
この2巻って、エッチなシーンが多いうえにすごくエロいんですよ。
真田は独占欲がすごく強くて糸永のことを縛りたいと思うほどで、それがエロに影響しています。
糸永の方は、不安で嫌われたくないという気持ちからエロが多くなるのだけど、金崎の問題が解決してからは、違った意味でエッチに積極的になります。
真田が自分のことを縛り付けてしまいたいと思っていることを知って、自分も我がまま言ってもいいのかなって自信を持てるようになるんですよね。
我がままを言えるようになった糸永と、ものすごく愛されていると実感している真田の様子が描かれて終了ですから、読後感は最高です。
糸永くんの恋の糸の感想まとめ
2巻では、真田の母親もチラッと登場します。
そして真田親子のセリフから、真田自身が糸永に再会するためにこの大学を選んで地元を離れたことがわかります。
さらに、中学時代のいじめについても、さらに詳しくわかるようになっています。
真田は、最初は水をかけて糸永をいじめたけど、その後は無視していただけだということ。金崎たちは真田に気に入られたくて攻撃的にいじめをしていたこと。
そして、金崎たちは、トラウマを持つほどまでいじめたことを悪いとも思っていないクズだということも…
だから、ハッキリ真田に切られたことで、スッキリしました。
この作品は、もちろん2巻すべて読んでほしいですが、1巻だけでも切りよく終わっていて十分楽しめます。
まずは、気軽に1巻を読んでみてくださいね。
以上「BL「糸永くんの恋の糸」あらすじ・感想(ネタバレ注意)いじめでこじれた両片思い」でした。最後まで読んでいただきありがとうございました。